第4章 新しいPTA運動の発展を目指して
第4章 新しいPTA運動の発展を目指して

【第5節 日本PTA全国協議会の新しい取り組み】全国組織としての見直し

3. 全国組織としての見直し

日本PTA全国協議会の在り方を見直すため、企画委員会を設置し、平成2年から2年間にかけて検討がなされ、平成4年12月に「審議のまとめ」が答申された。
協議会の現状と問題点を踏まえて、組織機構、事業活動についての当面の改善策を提言している。

日本のPTAでは役員等リーダー層の交代が早く、上位組織団体になるほど、役員の単年度交代の比率が高いが、このことが組織運営面、活動展開上の阻害要因になっている。
こうしたことから、理事の任期を2年に延長すること、さらに、常置委員会についても長期的観点に立った事業立案に資することができるように、一定の任期で外部の学識経験者、学校教職員、行政官などを委員として加えることが求められた。

また、事務体制については、事務処理量が質量ともに飛躍的に増大している現状から、スタッフの増員、処遇の改善が必要とされた。

事業活動については、今後地域と結びついた学校外への活動が課題であるとして、地域活動、国際理解・交流活動、環境問題に対応する活動の取り組みが必要であること、当面は特に、学校5日制への対応活動が求められるものとした。

また、PTAそのものについて、目的が子供の健全育成と成人教育という二重の性格を持っている団体であること、地域の人々の社会参加を促す土壌を作ってきていることを念頭に置いて、新たな社会変化に対応していくよう、さらに検討を進める必要があるとした。
しかし、この答申もその後、数年を経てもおり、また、時代や社会の変化も極めて著しいところから、組織・運営のあり方についてはこのときの提言にとらわれることなくつねに抜本的な研究討議の継続が求められるところである。

なお、この答申に先立ち、審議経過のまとめということで、
「国際交流を深める事業の在り方について」(平成3年6月)、
「学校5日制・学校外活動などの論議促進についての提言」(平成3年8月)、
「学校外活動の在り方についての提言」(平成4年7月)がそれぞれ報告されている。

政策研究大学院大学教授 今野雅裕

以上で、
「日本PTAの歩みと今後の展望」は完了しました。
なお、注記・参考文献については掲載を省略させていただきました。
関心がおありの方は、各地区PTA連絡協議会に保管してあります同名の資料をご参照ください。

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