第4章 新しいPTA運動の発展を目指して
第4章 新しいPTA運動の発展を目指して

【第4節 学校への支援・参加】学校支援ボランティア

2. 学校支援ボランティア

学校への支援活動のうちにこれまでも校舎や校庭の清掃など環境整備の活動は行われてきたが、最近、授業や学校行事、クラブ活動・部活動など教員のみが行ってきたものについても、様々な工夫によって、PTA会員が支援活動を行うようになってきている。

教員との新たなパートナーシップを結んで、学校教育活動に直接、参加し、支援する活動が強く期待されている。

(1)授業での指導補助

授業での指導においてPTA会員が教員を支援することは、一人一人の子供に教員の目が届きやすくなり、きめ細かな指導が可能になるとともに、授業の内容を充実させる上で意味があるし、教員の負担の軽減にもつながる。
また、親にしてみれば、教員の実際の苦労がよくわかり、教員への理解も進み、親と教員の間で相互の共感や連帯感が培われるなどの点でも意義が大きい。

活動の具体的な内容は、教材・資料づくり、ティームティーチング、講話、特定の技能の指導など様々なものがある。
担当教員と事前の十分な打ち合わせ、準備を積んで、これらの活動が行われている

PTAによっては、月1回程度の保護者の学習参加日(保護者が子供とともに授業に参加、教員の指導補助を行う)や学級担任からの参加要請があったときに、教員のアシスタントとして、教材を創ったり、子供たちと一緒に授業活動を行ったりするところがある。

1 年生の国語では読み聞かせ、音読チェック、
2 先生の算数では九九の覚え具合をチェックしたり、5先生の家庭科ではミシン縫いの指導などというように、全学年、全教科においてPTAによる支援授業が行われるという。

また、学校によっては、生活科の単元や総合学習の時間に、PTA会員が、正月遊びの遊び方について教えたり、春の七草摘み、七草粥作りを指導、その後、一緒に食事して話し合うという活動をしているところもある。
正課としてのスキーの授業に、保護者が指導補助者として関わるようになったところもある。

また、地域の人達が授業で指導補助を行うときにPTAがこの人々と学校との間の連絡調整を行っているおいうところもある。
こうした人材の斡旋、紹介のために、PTAが会員のほか地域の人々を募り、人材登録バンク(「ふれありボランティアバンク」、「ふるさと教育ボランティアバンク」など)を運営するケースも出てきている。

(2)学校図書館の運営支援

「生きる力の育成」の観点からも学校図書館の重要性が一層指摘されているが、現状では必ずしも、十分円滑な図書館運営が行えるだけのスタッフの配置は期待できない。
平成10年に学校図書館法改正(一部の小規模学校を除き、平成13年度末までに学校司書の設置が義務づけられた)が行われたが、必ずしも専任の司書教諭の配置が保障されるものではないことから、PTAの学校図書館運営への支援ボランティア活動は、学校にとって最も必要とされる領域の一つになっている。

本好きのPTAの母親(21名)が、月曜から土曜の午後1時から4時までの間(夏休み中も30 日間)、2~3名のグループになって、PTA活動の一環として、図書の貸しだし・返却事務、新着本や寄贈本の登録事務、図書の修理や整理などの活動を行っているところもある。

具体的な業務は、学校の生徒や地域の人々への図書の貸し出し、読書にふさわしい図書館環境の整備(ペンキ塗り、楽しむコーナー作りなど)、アンケートの実施、本の寄贈の呼びかけ、図書館ボランティア便りの発行、司書業務についての研修、学級活動の時間でのティームティーチングによるブックトークの実施などとなっているという。
こうした活動をするPTAは全国的にもかなり広まってきていると思われる。

(3)勤労体験学習、職場実習への支援

青少年の職業意識を高め、能力・適性・希望に応じた適切な進路選択やキャリア開発を支援する学習が極めて大切だと認識され、このため、中高生の勤労体験学習や職場実習が積極的に実施されるようになってきた。

この場合、事業の適切かつ円滑な実施のためには、PTAの支援が欠かせないとして、PTAが事業の企画、実施の全般にわたり学校を支援する例が広く見られるようになっている。

学校が職場体験実習を実施するに当って、PTAが保護者の勤める職場を中心に職場の選定、依頼、連絡調整などを行う。
体験を夏休み期間中に行い、生徒や保護者の感想をまとめ、秋に職場体験発表会、親子懇談会を実施する際、準備等もPTAが学校に協力して行うケースも多い。

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