第3章 社会教育団体としてのPTA
第3章 社会教育団体としてのPTA

【第5節 日本PTA全国協議会の新たな活動の展開】法人化による組織基盤の充実

1.法人化による組織基盤の充実

中央組織としての多様な活動の展開、安定的な組織運営の確保の面から、法人化は、日本PTA全国協議会の大きな課題であった。
昭和57年(1982)度に入ると、とみにその気運が高まっていった。
昭和58年(1983)3月に法人化特別委員会を発足させ、5月には、「社団法人日本PTA全国協議会設立準備委員会」を設立し、法人化に向けての準備を進めた。昭和60年(1985)4月、法人に移行することを総会で正式に決定し、文部省に法人の許可申請書を提出した。そして、その結果6月26日に文部省から許可書を受領した。

新組織の名称は、社団法人日本PTA全国協議会。社団法人を構成する社員(規約上は「正会員」と呼ばれる)は、全国の都道府県の協議会(48。東京都は小・中それぞれに協議会があるため。)と政令指定都市の協議会(現在は12)とされた(これらを併せて地方協議会と言っている)。

したがって、郡・市単位のPTA連合会(現在、約1,500)、単位PTA(学校ごとのPTA。現在、約3万 2 千。会員約1,200万人。PTA会員は規約上は「普通会員」と呼ばれる。)は間接的な加入という形になっている。

法人の執行機関である理事会は、ブロック協議会(地方協議会を全国9ブロックに区分)ごとに選出される20人以内の理事によって構成される。
三役会は、理事の中から選出される会長(1人)、副会長(4人)、専務理事(1人)、常務理事(2 人)により構成され、理事会から会務の執行を委ねられている。

理事会に付属する常置委員会として、総務委員会教育問題委員会、環境対策委員会、厚生・給食委員会、母親委員会の五つに委員会が設置された。

組織を支える財政問題は、これまでも組織にとって最も大きな課題の一つであったが、これまで通り、各学校PTAの会費の一部が、自動的に、地域協議会および全国協議会の運営費に当てられることとなった。

しかし、単価についてはこれまでも常に議論があった。昭和57年(1982)5月にも、日本PTA全国協議会に財政確立問題特別委員会を設置し、日本PTA全国協議会への納入費値上げ問題について議論している。

社団としての設立に伴い、昭和58年度は児童生徒一人あたり2円を3円に、昭和59年度以降は3円を4円にすることが総会で決定された。

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