第3章 社会教育団体としてのPTA
第3章 社会教育団体としてのPTA

【第2節 全国協議会の再編強化】全国協議会の再編強化

(1)PTA 充実のための基本構想

同じ昭和44年10月31日付けの機関誌日本PTAには、「私たちPTAの主張」として、PTAは学校の付属団体でも後援会でもなく、ボランティア団体であり、従って、学校に干渉しない、学校から干渉されない自主的団体であること。

自分の子供のための運動ではなく、広く子供のために、しかも世界的な運動の一環として行うものであると反論するとともに、全国各地でPTAの使命と役割について徹底的に分析・研究する事を呼びかけている。

(2)全国協議会内の組織的混迷

昭和44年(1969)になって、日本PTA全国協議会の第16回全国大会の会計処理において使途不明金がある事が判明し、役員・事務局長が辞任する事態になった。
しかも、組織運営に関しての役員間での意見の対立などもあり、一時期3役不在のままという不正常な状態が見られた。

こうしたなか、日本PTA全国協議会と各地域協議会との意志疎通を十分に図るため、日本PTA全国協議会の事務事業についての情報連絡資料として「日P月報」が発行されるようになった(第1号発行・昭和44年、以後月1回発行、平成9年まで続いた)。

(3)全国協議会組織強化論

こうした動きを受け、日本PTA全国協議会では、「日本PTAビジョン」(全国の会員の検討素材)を作成し、PTAの全国組織の存在意義を確認するとともに、全国のPTA運動が社会教育団体としての特色を一層強めることを訴え、各段階でのPTA組織で検討することを求めている。

また、これによると、日本PTA所全国協議会の事務所の確立、事務局の整備、役員の責任体制の強化、会費収入による会の運営、会員の自由加入制漸次確立、女性会員の地位の向上(「一般会員は女性、役員は男性の誤りを正す」)、一般教員・社会教育関係職員の日本PTA全国協議会への参加、会計の民主化・監査制度の強化、各種委員会活動の強化、広報活動の強化、研究調査機能の拡大などが提言されている。

(4)役員の資格

さらに日本PTA全国協議会では、昭和45年(1970)6月、「PTA在り方委員会」を設け、抜本的に機関としてのあり方を検討し始めた。当時、日本 PTA全国協議会役員の資格について議論があり、子供が公立小中学校に在籍している父母に限るのか、必ずしもそうした父母に限らず門戸を広く社会に開くべきなのか、各学校PTAにあっては在籍父母であることが望ましいが連合体にあっては限定の必要はないと考えるべきだ、など様々な議論があった。

昭和46年1月の文部省の回答(「PTA会員の資格について」)では、自主的な団体である各段階のPTAで独自に決めれば良い問題であるとされている。
PTA 在り方委員会ではこうした問題について熱心に議論を行った。

また、昭和53年には常置委員会として母親委員会が発足している。 家庭教育の研究と女性リーダーの養成を活動の目的とした。

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