【第2節 PTAの普及】急速な組織化の進展
1. 急速な組織化の進展
CIE、文部省、地方軍政部、地方社会教育担当者などによるPTA設立の勧奨活動により、各地域でPTA設立の気運が高まり、一気に組織化が図られるようになっていった。
文部省の「父母と先生の会委員会」による「PTA結成の手引き」が公表されてから1年後の昭和23年(1948)4月には、全国のPTA設置状況は小・中学校とも早くも7割近くに達しており、制度発足が遅れた高校でも4割を超える状況となっている。
ただし、学校後援会、父兄会などの旧来の組織のみがある学校、あるいはそれと新組織が併存している学校もかなり(3割ほど)残っている状況も見られる。
表1:学校種別全国PTA等組織結成率
出典:文部省PTAのみ旧来の団体PTA全国実態調査報告
PTAのみ | 旧来の団体 | 両者併存 | なし | |
---|---|---|---|---|
小学校 | 68% | 15% | 16% | 1% |
中学校 | 67% | 17% | 13% | 3% |
高校 | 43% | 35% | 16% | 6% |
また、2年近く後に行われた、昭和25年1月の調査では、小学校では93%の学校にPTAが組織され、中学校でも89%、高校でも81%と、この段階で全国の極めて多くの学校にPTAが作られている。
その会員数も小、中、高を併せて1,500万人に上まるまでになっている。さらに、このときの調査では、すでに25県において連合体が結成されているということも報告されている。
表2:学校種別PTA結成状況
学校総数 | PTA数 | 結成率(%) | 会員数(千人) | |
---|---|---|---|---|
小学校 | 20,953 | 19,486 | 93.0 | 10,135 |
中学校 | 12,416 | 11,053 | 89.0 | 3,953 |
高校 | 2,600 | 2,106 | 81.0 | 896 |
計 | 35,972 | 32,645 | 87.7 | 14,984 |